気がまわり始めた証拠?
ピクピク動く鍼
Oさんと言う71歳の男性は、坐骨神経痛のほか、足の冷えや泥状の便を訴えていました。脾経のツボである太白が虚して凹んでいる脾虚証だったので、右足の大都、太白、三陰交に置鍼をして、左足の親指の爪のまわりをオルゴンリングで擦りました。
すると、太白に打った鍼がピクピクとまるで当たりが来た釣り竿のウキのように動き出したのです。擦った振動で動くのとは明らかに違いました。足に気が流れだしたために鍼が動いたのだと思いました。学生時代に鍼の実技を教えてくれた王先生は、この鍼がピクピク動くことを「得気」と教えてくれました。「気が回り始めたのかもしれない。それじゃあ」と思い、次の時に欲をだして同じようにやっても、鍼は動かないんです。「まあ、ええわ」と思って無心でやると、また動いたり。不思議ですね!
私自身も太白のツボが虚して凹んでいる脾虚証で触るとベコベコだったのですが、一年以上毎日オルゴンリングで擦っていたら、今はツボが盛り上がりツヤツヤしてきました。かかとのひび割れもなくなってキレイになりました。オルゴンリングのお蔭で血流が良くなって、足の隅々まで栄養が行き渡るようになったのでしょう。
以前は冷えていた足も、今では朝一回擦るとカッカツと熱くなり、歩くと足首から先に何かが流れだすというか回りだすのが分かるのです。
去年の秋ぐらいから患者さんの足をオルゴンリングで擦ると、みんなお腹が鳴るようになりました。ちょっと痛い程度に擦っただけなのに気持ち悪いくらいよく鳴るんです。
鍼治療では「腹鳴」と言って、お腹が鳴るのは、気が通った証拠で治療効果の目安にするぐらいです。リングで擦るとお腹が鳴るのも気の巡りがとてもよくなり、同時に副交感神経が優位になるからだと思います。その証拠に痛い痛いと言いながらイビキを掻いて眠ってしまう方がおられます。
私はもともとサラリーマンでしたが、昔から腰が悪くて自分の腰痛を治したくてこの世界に入りました。腰痛は、加齢による骨の変形によるものだと言われ、コルセットをはめて仕事をしていたのですが、腰用リングをするようになってから、コルセットはしていません。
普通、多くの腰痛の人は腰椎のS字カーブが前腕増強(デッ尻鳩胸)か逆に前腕減少か後弯になっています。私の場合どちらかと言うと腰が平たんな前弯減少で、腰椎に負担がかかっていました。でも腰用リングをすると腰にカーブができるんです。筋肉のバランスが良くなるんでしょうか。
お風呂に入った時にリングで身体を軽く擦れば良いと説明書にあったので、タオルの代わりにリングで体と顔を洗ってみました。風呂から上がって何時ものように髭を剃ってみると、「いつもと違う?カミソリが肌に吸い付くようで、スムーズに剃れる!」新品の刃で剃ったみたいにキレイに剃れるし、ヒリヒリしなかったんです。
次の日も試してみたんですがやはりスムーズに剃れました。試しにリングで顔を擦らずに剃ってみると、あのスムーズ感はないのです。顔の毛細血管やリンパの流れが良くなったのでしょうか?
感覚としては、肌のキメが細かくなってツルツルした感じで、カミソリが滑るように動いているような気がします。
また30年来苦しんできた花粉症も、今年は医者に行かずに乗り切ることができました。薬を飲まずにしのげたのは、花粉症発症以来初めての快挙です。これも毎日の末梢施療と鼻用リングのお蔭です。
脾虚証:症状としては大食のわりには、やせていて顔色黄色く、腸がゴロゴロなりガスが出て下痢しやすいなどがある。
得気:鍼感、響き、鍼を刺入した時におこる重いようなしびれたような感覚を言う。